
Happy New Year! Plan ZのYuriko Galuraです。
Aloha, みなさん安全で素敵な年末年始をお過ごしになりましたでしょうか。
ハワイの年末年始は珍しく大雨となり、川の増水により10名以上のハイカー遭難や、悪天候のためコロナ検査場の閉鎖、ワイキキのカピオラニ公園では豪雨による被害が出て、ホノルル動物園が一時休園するなど各地で様々な影響が出ていました。
2022年早々から穏やかではないハワイではありましたが、おかげさまでハワイのあちこちは緑一色です!ダイアモンドヘッドも緑が生い茂っています。

気になるコロナ感染者の状況ですが、ここ1ヶ月ほどでオミクロンがハワイでも主要株となり、感染者数は記録を破って過去最高に急増しています。過去7日間の1日当たりの感染社平均は2000人を超えており、1日の感染者数が3000人を超える日もあるほどです。
陽性率も16%を超えています。感染者のほとんどがオアフ島ですが、隣島でも以前と比べると感染者数が急増しています。
デルタ株に比べるとオミクロン株は症状が軽い傾向になることから、現状では新たな規制が行われる予定はないようですが、入院患者数もじわじわと増えてきているため今後の政府の対応が気になるところです。
さて、2022年一回目のコラムということで、今回はほっこりするお話をひとつ。
ハワイの人気Tシャツブランド、Aloha Revolution(アロハ・レボリューション)を聞いたことはありますか?
ロゴは、「VHO7V」と記し、私も初めて見た時はなんと読むのかわからず、ただただこのブランドをいろんなところで見るなーと思って気になっていました。
Aloha Revolutionのオーナーであるエド・スギモトさんとは、とあるイベントで一緒になった際に意気投合して連絡を取り合うようになり、パンデミック下でどのような活動をされているかインタビューをすることができました。
自分から見るとALOHAと読める、アロハ・レボリューションのTシャツ。

Tシャツの胸元にプリントされた読むことすらできない摩訶不思議な「VHO7V」のロゴ。
これ実は、ALOHAが逆さまになっていて、着ている本人が上から見るとALOHAと読めるんです。そして、このユニークなALOHAプリントにはオーナーであるエドさんの強い思いが込められていました。
「普段の忙しい生活の中でもALOHAの気持ちを忘れないでいてほしいという思いから、自分が着ているTシャツを見るたびに、ALOHAの言葉が目に飛び込んでくるデザインにしました」
一人一人がALOHAの気持ちを忘れないことで、世の中が良くなってほしいという願いも込めているそうです。そんなロコに絶大に愛されているエドさんのブランドは、パンデミック中に大活躍をすることになるのです。
ハワイの老舗パンメーカー、ラブズ・ベーカリーのためのチャリティーTシャツを制作

パンデミックとなったハワイでは数々の企業が倒産や閉店を余儀なくされました。その中でも2021年3月に大きなニュースとなったのは、170年の歴史を誇るハワイの老舗パンメーカーであるLove’s Bakery(ラブズ・ベーカリー)のホノルル工場閉鎖。
赤と白の大胆なチェックに黄色いベースにハートのついたLove’sのパッケージデザインを目にしたことのある人も方も多いでしょう。
工場閉鎖によって解雇されてしまった231人の従業員のためにオーナーのエドさんは、ファンドレイザー用のTシャツを作ることを決意したのです。

エドさんは売上金のうち、利益を全て231人の将来に役立ててもらえるようにと寄付をすることにしました。
このファンドレイザーは、草の根レベルのプロモーションにもかかわらず、地元のニュースでも取り上げられるほど反響を呼び、なんと55000ドル(約620万円)を231人に寄付することができたそうです。10日間という短い期間での売上金でした。
人数で割ってしまったら一人当たりの金額は大きな金額ではないかもしれないけれど、 子供の頃から大好きだった老舗ベーカリーの為に働いてきた元従業員をサポートしたという気持ちがムーブメントとして多くの人たちの心に残ったと思います。
今でもこのチャリティーTシャツを、プライドを持って着用している人を目にします。

ワイマルエリアで、ポップアップイベントを開催、スモールビジネスをサポート
セントラル・オアフエリアにある、地元で賑わうワイマル・ショッピングセンター。
ここに、エドさんはスペースを借りて、アロハ・レボリューションの直営店を構えるとともに、幾つかの区画に分けて地元のスモールビジネスを誘致し、ポップアップイベントを定期的に開催しています。
もともと数年前から、ライス・フェスティバルやヌードル・フェスティバルなど数々のイベントをハワイで仕掛けてきたエドさん。
お店を構えることのできないスイーツメーカーや、アパレルブランドをサポートしたいという一心で活動を続けています。
ブランドも成長途中で、つい最近やっと会社員の仕事を辞めたものの、今まで何年もの間フルタイムの仕事とアロハ・ラボリューションを抱えて働いてきたエドさん。
なぜこんなに他人のために頑張るんだろうと聞いてみると、
「両親からの影響が大きいですね」
と語るエドさん。
なんと彼の両親は日本からハワイへ移住した日本人だそうで、これには私も誇らしい気持ちになりました。
2022年がスタートしましたが、パンデミックもなかなか収まらず落ち着かない日々が続いています。
そんな中でも、アロハの気持ちを忘れず人に優しい気持ちで接していけたら、自分も相手も心穏やかに過ごせる日々が1日でも多くあるのではないかと思う今日この頃です。
引き続きこのコラムではハワイの最新情報をお伝えしていきます。
【Aloha Revolution】
ハワイで生まれたTシャツブランド。
ハワイを愛するすべての人々の心に宿るアロハスピリット。自然を大切にし、人に優しく接する気持ち、アロハの精神、どんな逆境にあってもこのアロハ精神を忘れずにいたらきっと乗り越えられる。だからこのシャツは自分から見てアロハの文字がくっきりと見える「VHO7V」デザインになっている。
ウェブサイト https://vh07v.com
インスタグラム https://www.instagram.com/VH07V/
フェイスブック https://www.facebook.com/VH07V
Yuriko Galura (ガルラ百合子)
東京出身ホノルル在住。2008年ロサンゼルスのファッションスクールでファッションマネージメントを専攻し、2010年にハワイへ移住。2011年メードインハワイのファッション&アート産業をサポートしたいという思いから、ハワイ在住デザイナー&アーティストのためのマネージメント会社をハワイで設立。ハワイ在住を生かした独自のネットワークとコネクションを使って日々精力的に活動中。