【Information from Hawaii】パンデミック中にハワイでブームになったあれこれ!
- 2020/12/10

Aloha! Plan ZのYuriko Galuraです。

今年もあと少し!あっという間の2020年でしたが、皆さんの2020年はいかがでしたか?

ハワイは大統領選挙がやっと落ち着き、例年同様クリスマスデコレーションで飾られているワイキキも相変わらず観光客は少なめで、寂しいホリデーシーズンとなりそうです。

さて、3月のパンデミックから2度のステイ・アット・ホーム・オーダー(外出禁止令)を経験したオアフ島。

厳しいルールにより旅行はいつものようにできず、学校も主にオンライン授業となり、さすがに癒しのハワイもローカルにとってはストレスが溜まりやすい環境になっていたと思います。

ハワイには「アイランド・フィーバー(Island Fever)」という言葉があり、小さな島であるがゆえにどこにも行けなく鬱々として気持ちのことを指します。

コロナ禍の中、まさにアイランド・フィーバー状態だった人も多くいたことでしょう。そんな中で、ローカルのライフスタイルはどんなだったのでしょうか?今月は、ローカルの間で老若男女問わず流行ったブームをレポートします。

 

サーフィンはESSENTIAL ACTIVITY!

ステイ・アット・ホーム・オーダーが発令された際、スポーツジムやゴルフ場の閉鎖、そして公園立ち入り禁止などの規制によって、ウォーキング&ランニング以外にエクササイズをするチャンスがめっきり少なくなってしまったハワイ。

そんな中、海の中でのエクササイズはエッセンシャル(=必要不可欠な)アクティビティーとして州から認められ、サーフィンのプチブームが起こりました。え?ハワイにいるローカルみんなサーフィン経験者じゃないの?いえいえ、そんなことはありません。意外とサーフィン未経験者のローカルってたくさんいるのです。

ステイ・アット・ホーム・オーダー中はビーチでのんびりすることが禁止だったため、砂浜はガランとしている中、夏にウネリが入るワイキキなどのサウスショアではサーフポイントだけ激混みという珍しい光景も。

また、地元ニュースでは気象予報士が天気予報と一緒に波情報も教えてくれるのですが、「今日はサウスショアがサイズアップ。でも初心者は危ないからカヌーズ(ワイキキの初心者向けのサーフスポット)でサーフィンするように!」と注意を喚起するなんてことも。

いつものサーフポイントに見知らぬ初心者サーファー達がグループで現れ、普段そのポイントでサーフィンをしているロコレギュラー陣がざわつくこともありましたが、海は誰のものでもない。

確かにヘビーローカリズムが存在するポイントもハワイにはありますが、特にビギナーにも比較的乗りやすいポピュラーなポイントでは、すでに誰かが乗っている(もしくは波のピーク側で乗ろうとしている)波には後乗りしない等、サーフィンの基本的なルールを守ってみんなで譲り合いながら楽しむことが大事ではないでしょうか。

自然を相手にするスポーツだからこそ同じ波は一つとしてなく、波が向かってくると無心になっ てしまうほど集中してしまうのがサーフィン。

ビーチに戻ってきた時の心地よい疲労感と波に 乗った時の達成感はやはりサーフィンならではでしょう。 観光がストップしたことでハワイの多くのビーチでは水の透明度がかなり改善され、カラダ全 身を思い切り使ってエメラルドグリーンの美しい海でのサーフィンに癒されたローカルはたく さんいたと思います。

 

ガーデニングブーム!

これは日本でも起こったことかもしれないのですが、ハワイに空前のガーデニングブームが沸き起こりました。

Home DepotやLowe’sという大型ホームセンターのガーデニングセクションでは、土が完売、家庭菜園向けの人気の種や苗、そしてプランターや鉢までもが完売というすごい現象が起こりました。

家の庭ならともかく住宅街の歩道に間隔的にある小さな土のスペースにまでも、ネギ、ハーブ類、さらにはパパイヤの苗木まで一列に植えられ、ローカルたちは使えるスペースは最大限に利用してガーデニングを楽しんでいたようです。

また、アパートやコンドミニアム暮らしの人たちも、1975年から市が運営し、リーズナブルな料金で借りることのできるコミュニティーガーデンを使って楽しんでいました。

野菜を育てる人もいれば、トロピカルな観葉植物を育てる人など個性豊かなコミュニティーガーデン。ワイキキ近辺にも、アラワイ運河沿いやカピオラニ公園の近くにコミュニティーガーデンがあります。

パンデミックが始まった当時、十分な物資が太平洋のど真ん中に位置するハワイに届くのかという不安もあって、自給自足に目覚める人たちの登場や、子供たちに野菜を種から育てて食べ物を育てる大変さと共に食のありがたみを実体験から学習させたり、体を動かすという健康のためだったり、メンタル的癒しの追求だったり、様々な理由はあれ地産地消の良い機会になったことでしょう。

ハワイではよくあることなのですが、ご近所付き合いの一環で食べ物の分け合いなどもよく聞きました。私の近所でも、友人宅の裏庭で採れたマンゴーをおすそ分けしたり、親戚の家で採れたアボカドやレモンなどを逆に頂いたり、普段そこまで親しいお付き合いというわけではないのに、ほっこりすることが何度もありました。

 

ペットの里親ブーム!

1回目のステイ・アット・ホーム・オーダーが長引いたこともあり、4月には一時的に犬の里親になる世帯が増えアニマルシェルターで保護管理される犬や猫が激減したと、ローカルの報道番組では嬉しいニュースとして取り上げられました。

家にこもる生活の中で、セラピー的な存在として大活躍したのがペットでした。治安の悪化を心配して番犬としての役割もあったことでしょう。コロナ前には平均して100匹の犬や猫などが一時預かりする里親の元で暮らしていましたが、コロナパンデミックになって約1ヶ月後の4月の時点で500匹が一時預かりの里親のもとへ引き取られ、そのうち350匹が永久引き取りとしてアダプションされました。

ワイキキに隣接したカパフルエリアにオープンしたハワイ・キャット・カフェもアダプションに一役買っています。ただ猫を見る・触るだけの猫カフェではなく、地元のアニマルシェルターと連携を取り、カフェで実際に猫と触れ合い気に入った猫がいれば引き取ることができ、今までに800匹近い猫がもらわれていきました。

それでも、アニマルシェルターは秋にかけて景気の後退で飼いきれなくなったペットたちの保護を受け入れ続け徐々にスペースがなくなり緊迫した状況へ追い込まれることに。

そこで、やはりハワイと同じようにペットの需要が高まっていたワシントン州シアトルの非営利団体が、ハワイからなんと600匹もの犬と猫を引き取ることとなり、10月にハワイから飛行機で米本土へと里親探しでもらわれていきました。

ペットはシアトル以外に、オレゴン州やモンタナ州へも運ばれたそうです。大統領選で国が分断される中、NGO団体や動物愛護団体たちによる州をまたいだ心温まるニュースでした。

その他、日々の運動習慣としてウォーキングをする人も増えたと思います。私も定期的に朝ウォーキングをするようになってから、ジャグリングをしながら後ろ向きにランニングをする乙な男性に遭遇することが度々あり、元気をもらっています。

コロナウィルス・パンデミックという我々が生きている間で経験したことのない危機にさらされ不安な生活を送る中で、全米でナンバーワンの失業率を叩き出しながらも、前向きに試行錯誤して生活しているハワイのコミュニティーから生きるヒントやポジティブマインドがもらえたら、と思います。

 

Yuriko Galura (ガルラ百合子)
東京出身ホノルル在住。2008年ロサンゼルスのファッションスクールでファッションマネージメントを専攻し、2010年にハワイへ移住。2011年メードインハワイのファッション&アート産業をサポートしたいという思いから、ハワイ在住デザイナー&アーティストのためのマネージメント会社をハワイで設立。ハワイ在住を生かした独自のネットワークとコネクションを使って日々精力的に活動中。

WEBサイト: http://planzhawaii.com/
instagram: @yurikogal