
ALOHA! Plan ZのYuriko Galuraです。
ハワイは70歳以上の高齢者とエッセンシャルワーカーのワクチン接種が始まり、コロナウィルスによる入院者数も30人以下と状況が良くなってきています。
オアフ島の再開状況は、2月下旬にTier 3(1日感染者数20-49人、陽性率1-2.49%)のステージとなり、以前は5人までの集まり制限であったのが、10人までOKとなりました。公園やビーチも、以前に比べて随分人が増えたように感じられます。
さて、ここ数年盛り上がりを見せているハワイのアート業界。
パンデミックになり、ロックダウンから観光が少しずつ再開しているハワイの状況下で、アーティストたちはどのような生活を送っていたのでしょうか。気鋭アーティストの一人として大注目のサラ・カードルさんにお話をお伺いしました。

サラさんのアートは、サーフボードなどに使われるレジン(樹脂)を使い、海をテーマにしたアートを描きます。まるで空中写真のような美しいビーチや、ブルーグラデーションのオーシャンアートが大変人気となり、急成長を遂げたアーティストの一人です。
もともとチャイナタウンにあったアトリエではスペースが足りなくなってしまい、2020年2月、カカアコにサンルームと名付けたショールーム兼アトリエをグランドオープンしました。まさにこれから!という時にパンデミックとなり、生活は一転します。

「パンデミック宣言後ハワイはすぐロックダウンになってしまい、私のアートを扱ってくれていたギャラリーが全て一時閉店に追い込まれました。アトリエの家賃の値上がり、ノースショアに住んでいるスタッフたちもロックダウンでアトリエには来られない。模索モードに入りましたね」
サラさんは 売上を確保するために自分のオンラインショップをプッシュし、彼女の周りを気遣う性格ゆえ、卸先であるギャラリーにもオンラインストアをやるようにと、積極的に提案やアドバイスをしました。
「マーケティング、オンライン、ソーシャルメディアなど、使えるツールを駆使して、クリエイティブな方法をいろいろと模索しました。またノースショアにいるスタッフたちに材料を送って、彼らの自宅でもレジンプリントなどの作業をできるようにしました」

ロックダウン中は、スタジオでのレジンアート創作活動が三ヶ月近くもできず、家にこもる生活が続いたことがとても辛かったと、サラさん。新しいアイディアを考え、自宅でも製作可能なアクリル画に挑戦し、これが昨年の人気アートシリーズになりました。
「パンデミックをチャンスが来たのだと前向きに考えるようになって、新しいアイディアが浮かんできましたね。ニュースをなるべく見ないようにして、ペインティングに集中したり、ガーデニングをしたり、サーフィンやジョギングなど運動もし、ビデオチャットやズームで家族や友達と過ごしていました。
以前は忙しくて自分の時間がほとんどなかったので、ロックダウンをセルフケアするためのリトリートと考えて、シンプルなことにも感謝できるようになったし、直接人と会うことが、本当にハッピーなことだと思えるようになりましたね」

家での時間が増えるライフスタイルとなったことで、インテリアとしてのアートへの需要は高く忙しい日々が続くように。ただ、ハワイはどの大陸からの遠く離れた島であるため、材料が予定通り届かないことや、スタッフが急に故郷のアメリカ本土に帰ってしまうなど想定外のアクシデントも。
「へこみそうになっても、どうやったら乗り越えられるかを考えていましたね。ダークな時があるから、いい時がある。パンデミックだから状況はみんな一緒、だから大丈夫!と自分に言い聞かせていました」
サラさんの言葉にはたくさんのポジティブなメッセージが込められていて、彼女のアートは癒し感たっぷりですが、本人はとても芯の強い女性であると感じました。サラさんのアートに興味のある方は、ぜひウェブサイトやソーシャルメディアをチェックしてみてください。日本にも代理店があるので、日本語のウェブサイトなども充実しています。
引き続き、定期的にハワイのビジネスオーナー達からの生の声をお届けしていきます。

【サラ・カードル】
ジョージア州出身、オアフ島在住のアーティスト。
レジン(樹脂)を使用し、海や自然をモチーフにした抽象画を通して、ハワイの美しい魅力を伝えている。ダイナミックな色彩と流れるような動きのある表現スタイル、有機的な構図でハワイの自然や青い海や波を描いたサラの作品は、安らぎとアロハに満ち、見るものの心を癒してくれる。
ウェブサイト(日本)https://sarahcaudleart.jp
ウェブサイト(USA)https://sarahcaudleart.com
インスタグラム(日本)https://www.instagram.com/sarahcaudleartjp/
インスタグラム(USA)https://www.instagram.com/sarahcaudleart/
Yuriko Galura (ガルラ百合子)
東京出身ホノルル在住。2008年ロサンゼルスのファッションスクールでファッションマネージメントを専攻し、2010年にハワイへ移住。2011年メードインハワイのファッション&アート産業をサポートしたいという思いから、ハワイ在住デザイナー&アーティストのためのマネージメント会社をハワイで設立。ハワイ在住を生かした独自のネットワークとコネクションを使って日々精力的に活動中。