
米国のハリウッド俳優たちにも愛用されるファッションブランドとして、日本でも知る人ぞ知るの存在となりつつある「オーガニック」、そしてニューブランド「アロハセーラー」。そのオーナー/デザイナーであるフェルナンデスさんがこのほど来日、イベントなどを通じてアピールしました。その一環として東京のアロハテーブル代官山で開催された展示会会場で、ブランドに込められた思いや生き方哲学、そして今後の日本での展開などを聞きました。

HLC 「Organik」(オーガニック)も「Aloha Sailor」(アロハセーラー)も、どちらもナチュラル感があって素敵ですね。そのブランドコンセプトについて教えてください。
ーーオーガニックは、もちろんハワイでデザインしていますが、表現としては“スーパーハワイ”という感じではなく、米国のイーストコーストテイストとハワイアンがブレンドされているイメージ。Tシャツが中心ですが、オーガニックコットンやリサイクル素材を使い環境に配慮しています。エッジの効いたスタイルがハワイでは受けているようです。エコだけどオシャレみたいな。
HLC なるほど。アロハセーラーについては?
ーーこれは、1年ほど前にセーリングに興味がわき、いろいろと勉強した。その中で1年かけてこのブランドの構想をねったものです。デザインも、セーラーたちの言葉、例えば「荒れた波で練習しないと一人前にはなれない」など、実践を通じて学んできたことをTシャツのコピーとして表現しました。例えば、ハワイを出発して本土のイーストコーストのモントークまでいく、とか、そういうイメージです。ハワイっぽい帽子とか、マリンテイストのボーダーだったりとか、いろいろなディテイルや機能もすべて自分の体験を踏まえて製品にしています。

HLC 明確に分けていますね。
ーーオーガニックは「エコロジー」、アロハセーラーは「海」を意識しています。価格帯も異なりますが、共通しているのは、ともにライフスタイルを意識していること。休日の楽しいひとときをこのファッションを通じて感じてほしいです。
HLC ともにまだ新しいブランドですよね。
ーーオーガニックは2008年から、アロハセーラーはまだ昨年秋にデビューしたばかり。10月にハワイで1カ月間にわたり開催された「ハワイ・ファッション・マンス」で発表しました。アロハセーラーは今、ハワイで12店の取扱いがあり、話題のホテル「モダンホノルル」のブティックには両方揃っています。オーガニックは鎌倉のショップでも売られていますので、ぜひ一度足を運んでみてください。

HLC ブランドコンセプトを考える際に大切にしているのはどういう点ですか。
ーー最も大事にしているのは、自分のライフスタイルそのもの、ハワイでの生活そのものです。いずれのブランドも、ハワイだからこそ生み出されたもので、例えば、故郷のニュージャージー州にいたり、日本に住んでいたりしたなら生まれなかったでしょうね。ハワイだからこそのスタイルを表現しています。
HLC お生まれは米国東海岸なのですね。
ーーはい。ニュージャージー州で生まれました。2001年にハワイに移住して、その7年後にオーガニックを開始しました。私にとって、ハワイはまさに“パラダイス”で、普通ならばバケーションで訪れるような場所なのです。気候は温暖で快適だし、美しい海やビーチなど見た目で感じる部分だけでも明らかにメインランドとは違う。禅やヨガなど、ヘルシーでナチュラルなライフスタイルも根付いているし、人と人が互いに尊重しあう文化もしっかりとある。これはメインランドではあまり実感できなかった点です。
HLC でも東海岸、例えばニューヨークに住む人たちの間でもヘルシーライフスタイルはポピュラーだと思いますが。
ーー確かにニューヨークにもナチュラル&ヘルシーのライフスタイルトレンドはありますが、基本的にインドアだし、実践しているのは一部の人たちです。季節格差もあって寒いときはとても寒い。私は、気候が人をより良くする、というのはあると考えています。ハワイは365日常夏だし、一部の人ではなく誰もがアウトドア志向でいつも海と遊んでいる。そういうライフスタイルがベースとなっているのは、ハワイならではでしょう。
HLC ところで、休日はどんな過ごし方をしていますか0?
ーー休日は、アサイーボウルの朝食を取ったらラニカイビーチへ行き、セーリングして沖の小さな島でサーフィンをする。昼はまたセーリングしてカイルアビーチへ向かいランチをしたら、再びセーリングで友達の家に遊びに行ったり、というのが典型的なパターン。シュノーケリングやサーフィンをして、ずっと海と一緒。だからこんなに真っ黒に日焼けしています。こうして過ごしているのが、一番幸せな時間ですね。

HLC でも仕事はきっちりとこなすとか。
ーーうーん。基本的には、月曜から金曜はデザインを考えて、土日は思いっきり楽しむというスタイルですが、働き方はフレキシブルですよ。仕事してサーフィンして、また仕事してとかね。「リビング・ザ・ドリーム」というのが信条なので、ハワイでは夢に生きています。ニュージャージーでは夢が抱けなくて、だからそこを出たわけです。
HLC 期待通りの答えでよかったです(笑)。最後に、将来の“夢”を聞かせてください。
ビジネス面では、オーガニックはナチュラル、ヘルシーを基本にヨガシーンなどでの深い展開を考えています。アロハセーラーは、ボタンダウンシャツや他のアイテムなどもう少しバリエーションを増やし、しっかりとした総合ブランドとして育てていきたい。個人的なゴールですか。いつか世界中をセーリングしたいですね。サーフボード持って世界中を旅して、いろいろな所を見てみたい、各地でサーフィンもしたい。“エンドレスサマー”のように。
HLC ありがとうございました。
【Profile】
ハワイのファッションブランド「Organik」と「Aloha Sailor」のオーナーデザイナー。米国ニュージャージー州生まれ、ホノルル在住。2001年にハワイ島カイルアコナへ移住。環境衛生をバックグランドに持ち、08年エコファッションブランドOrganikを、いとこのブライアンと共にスタート。またたくまにセレブに愛されるブランドへと成長。10年にオアフ島ホノルルへ移住。13年、OrganikはBest of Honoluluのエコ部門受賞。同年、海とセーリングからインスパイアされたニューブランドAloha Sailorを立ち上げる。【取材後記】
ハワイという場所は単なる“癒し”を超えて、人をもう一度生まれ変わらせるチカラを持っているのではないかと常々思っていました。「ReBorn」であり、「Rejuvination」であり、「再生の島」であり。エドさんもそのチカラを体現する一人かもしれません。米国東海岸から夢を追い続けてハワイへ。そしてその夢を見事に開花させようとしています。“Living the dream”。彼の口から出たその一言、その時の笑顔がとにかく印象的でした。オーガニック公式サイト http://organikclothing.com/
アロハセーラー公式サイト http://alohasailor.com/