【地球とともに暮らす人々のおはなし no.7】 ハワイ固有種たちの、いのちのサイクル
- 2016/05/25

no.7
ハワイ固有種たちの、いのちのサイクル

ハワイ固有の蝶は、たったの2種。そのうちの1種は、プレレフア(Vanessa tameamea)。カメハメハ・バタフライとも呼ばれるタテハチョウ科アカタテハ属の蝶です。2009年にハワイ州のシンボルの昆虫として選ばれました。


この蝶はヨーロッパや北米に広く分布するヨーロッパアカタテハ(Vanessa atalanta)に近い種だそうです。季節によって大陸で渡りをしていたプレレフアの祖先種は、風に乗り、海を越えてハワイ諸島に渡ってきたのでしょうか。

ハワイにいるヨーロッパアカタテハは外来種です。プレレフアに似た蝶はハワイに何種かいるので、注意深く見分ける必要があります。

プレレフアは、主にマーマキというハワイ固有のイラクサ科ヌノマオ属の植物の葉に卵を産み付けます。幼虫はこの葉を食べて、その葉を吐糸で綴って簡単な巣を作ります。そうして大きくなった幼虫はマーマキの枝でじっと潜んでいます。その頭はマーマキの花に似ていて、さなぎは枯れたマーマキ葉に似ているといいます。

 

そんなマーマキの花は地味で、枝に直接咲きます。そして肉質化した白い実が生ります。これは、木の実を食べるタイプのハワイ固有の鳥たちにとっても大切な植物なのです。

マーマキの葉の葉脈は、緑のものもあれば赤いものもあります。マーマキの葉はお茶にして、疲れをとるために、または胃の洗浄などに用いられました。現在でもマーマキの葉はmamaki teaとして販売されています。樹皮の繊維はタパ(カパ)という布に用いられました。

 

成長したプレレフアは、花の蜜だけでなく、コアの木の樹液も好きです。

私はヒロの山手に住んでいますが、オーヒア・レフアがたくさん生えている環境です。コアの木も近くにあります。たまに、プレレフアが我が家にもやってきます。マーマキの木を何本か植えたので、利用してくれるようになりますようにと願っています。私の家のお向かいの家には大きく茂ったマーマキが一本あったのですが、いつの間にか切り倒されてしまったようです。プレレフアが利用していたかもしれないのに。とても残念です。見かけはとても地味な姿の植物なのですが、もっと多くの場所に、もっと多くの人によって、植えてもらえますようにと願っています。

 


久美子さんのガイドで行く ハワイ島サスティナブルライフツアー

2016年6月29日(水)〜 7月3日(日)【5泊6日】催行決定!
ご案内はこちらから>>

プレレフアにも会えるかもしれない?ハワイ島の自然と食の魅力をたっぷりと体感するハワイ島のツアーは、ココロとカラダをメンテナンスする…まるで”リトリート”な旅路となります。

マイナスイオンのシャワーを浴びながら、アカカ滝や火山国立公園のネイチャーウォーク。大地の圧倒的なエネルギーを体感できるキラウエア・イキ火口をめぐり、マウナケア山頂でのサンセット鑑賞や、澄んだ空気の中で夜空いっぱいに見られる星空観測などなど、ネイチャーガイドの長谷川久美子さんが同行し、そのひとつひとつについてお話をしてくれます。

さらに、今回のツアーではプナ本願寺で行われるローカルなお祭り「盆踊り」にも参加予定。エキゾチックで、日本の昭和初期にタイムスリップしたような気持ちになれるのだとか。ハワイのリアルなライフスタイルにふれることができますよ。


 

【Profile】
長谷川 久美子(はせがわ くみこ)
兵庫県生まれ。1983年よりオアフ島で学生時代を過ごす。卒業後、いったん日本に帰国。88年より再びハワイへ。ハワイ島で観光バス会社勤務などを経て95年に独立。2005年に「ハワイ・ネイチャー・エクスプローラーズ」を設立、以来、ネイチャーガイドとして活動中。ハワイの自然を見て、聴いて、触って、嗅いでもらいたい。たくさんのことを伝えたいと日々、情熱を持って取り組む。

ハワイ・ネイチャー・エクスプローラーズHP http://www.hawaii4u2c.com/top.html

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デザイナー KURO 趣味:和太鼓

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