【Aloha Interview Vol.67】コラムニスト・旅行作家/山下マヌーさん
- 2016/04/14

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書店でハワイ関係の棚に行けば、必ずといっていいほど山下マヌーさんの書籍が並んでいます。皆さまの中にも、一度は手にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか。そんなマヌーさんがこの4月に新刊「気になるハワイ」を出されました。小学生の頃からハワイに通い、変わり続けるハワイを見てきたマヌーさんならではの、今、最も気になるハワイについて伺いました。


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HLC 今回の新刊のテーマについて教えてください。

――ずばり“気になる”です。行く度に新しいコトやモノを求めて出かけてきたはずなのに、利用する店、オーダーするもの、遊びに行く場所などがなんとなく決まってきてしまう・・・・・・そういう旅行者も多いのではないでしょうか? 実際自分もそうだったりします。そこで、なんか気になるけれど入ったことのない店、行ったことのない場所へも行ってみようと思い、「気になるハワイ」をテーマにしました。

 

HLC 具体的には?

――例えば皆エッグス&シングスには行くけれど、ローカルの人は実際には何を食べているのか。街を歩いていて古い建物を目にするけれど、一体何の建物なのだろうか。アメリカ人はハワイではどんなアクティビティをしているのか。オアフ島の最北端や最西端など、端っこはどうなっているのかなど、自分が気になっていることや「実は皆も知りたかったことなのでは?」と思ったものを集めて1冊の本にしました。ちなみに前作の「ハワイ1000円でできること」同様、掲載した全ての写真は自分のiPhoneで撮影したものです。

 

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HLC 世界中を旅されているマヌーさんですが、そもそもハワイとの出会いは?

――小学生の頃に家族旅行で初めてハワイに行きました。初めての海外旅行だったこともあり、子ども心にとても気持ちがよかったことを覚えています。その翌年も家族でアメリカを旅行した帰りにハワイに寄り、改めてすごく面白いところだなと。それから大学時代や社会人になってからも通うようになっていました。

 

HLC どんなところに魅かれたのですか?

――ハワイだけではなく世界中を旅するようになって、“ハワイには全部ある”ということに気がついたのです。いつ行っても逃げ場がある。ワイキキで雨が降っていてもオアフ島の他の地域に行けば晴れている。コンクリートから緑の中に逃げたくなったらカウアイ島へ行けばいい。何もない広い空の下で過ごしたくなったらハワイ島へ・・・。というふうにハワイには煩悩から本能を満たしてくれるものがほぼ全ててあると思うんです。日本で例えるなら、湘南と銀座と丸の内と沖縄とが一緒になったような場所。加えてハンディキャップを持った人たちにとっても世界で最も優しいリゾート。ホテルのプールにホイールチェアで入れる設備が整っているところなんて、世界中を探してもそうそうないでしょう。

 

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HLC 最近はどんなところに注目されていますか?

――ハワイの変化です。例えばワイキキのクヒオ通りではいくつものビルが建設中です。この5~6年でかなり変わるのではないでしょうか。そういう意味でも、今のハワイを体験しておくのは面白いと思います。昔に比べてハワイは豊かになり、お金が集まるようになりました。そしてビジネスが生まれ、美味しいレストランができたり、気持ちのよいバーができたり。この数年でメインランドからハワイにやって来た人たちがスタイルコンシャスな店をつくったり、メインランドの学校で学んだローカルの人達がハワイに戻り、ハワイのDNAとメインランドのセンスとをミックスさせた、そんな店も登場してきています。

 

HLC ローカルの方たちは故郷に戻る人が多いのですか?

――多くの人たちが一旦は島を出てメインランドの大学に行ったりしますが、ほとんど皆帰ってくるようです。やはり慣れ親しんだアイランドウエイというのはあると思うんです。大家族で住んでいることが多いので助け合いの精神もある。そういうのがよいのではないでしょうか。もちろんメインランドに行かなくても、ハワイに留まりハワイの学校を出て地元の農家などとセンスのいい店をやったりしている人たちもいます。

 

HLC なるほど。

――『気になるハワイ』の中にも「メイドインハワイが気になる」というコンテンツがあります。今までメイドインハワイと呼ばれるものはなかったのですが、自分たちが欲しい物や作りたい物を地元の人たちと一緒に作るというのが流行りだしてきています。既に飲食業界では、7~8年前からハワイ産の食材を使用した「リージョナルキュイジーヌ」というハワイで独自に進化を遂げた新しい料理のジャンルが試みられています。

 

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HLC 今後ハワイはどう変わっていくのでしょうか?

――観光客よりも、住む人の数のほうが多くなった気がします。メインランドでは年をとってリタイアしたらマイアミへという流れがありましたが、最近マーク・ザッカーバーグがハワイに大きなコンドミニアムを買ったことが知られているように、メインランドの若い人にとっては、マイアミは過去のものだといいます。これまで以上にメインランドの人達がハワイの不動産を買ったりするようになると思います。今のところハワイに遊びに行く人とハワイで暮らす人は一緒のエリアで仲よくやっていますが、これからは少し区分けができてしまうのではないでしょうか。観光客と住民との間に軋轢が起きなければよいのですが。

 

HLC 読者の皆さんに伝えたいことはありますか?

――ハワイは太平洋の真ん中で突然火山が爆発してできた島です。あんなに狭い所にいろいろな人種が集まって仲よくやっている所は、世界中どこへ行ってもありません。出来るなら4泊6日ではなく、10日間くらいは滞在して世界からやってきている人々の中で、自分のアイデンティティを感じて欲しい。買い物をしている時でも、観光している時でも、ふとした瞬間に何か感じると思います。リピーターが陥りやすいのは、知っているほうが安心だからと、以前行ったことがある所にまた行ってしまい、冒険をしなくなってしまうことです。迷うことも旅。ハワイに限らずですが、お店も自然も常に冒険と発見のマインドを持って出かけて行くと、新たな自分の可能性が見つかったりもします。

 

HLC ハワイで日本人に会わない方法を教えてください。

――以前『マヌー式日本人に会わないハワイの歩き方』(廣済堂文庫)を出しましたが、あの本が一番売れなかったですね(笑)。おもしろくてよい本なので、通には受けましたが、多くの読者が知らないところばかりで、「行くにはちょっと腰が引ける」場所が多すぎたのかもしれません。実はワイキキでも日本人に会わないで過ごすことは可能です。例えば朝早く行って散歩をしてみるとか。日本人に会わない方法は、場所ではなくて行く時間だったりもします。早朝のワイキキは朝焼けがきれいで気持ちがよいですよ。『気になるハワイ』でも、身近で気軽に行けるハワイの絶景を取り上げています。そこにはほとんど日本人がいません。実はそういう場所は探せばいくらでもあります。タンタラスの丘も、日本人は大体夜に行くので、夕方くらいに行くとか。あくまでもガイドブックは予習で、それにしばられないようにして欲しいですね。

 

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HLC ハワイではどんな風に過ごしていますか?

――プライベートでも、つい取材というかパトロールをしてしまいます(笑)。通ったことがない裏道を偵察したり、ローカルの人しか入らないレストランのカウンターに座って飲んだりするのが好きですね。

 

HLC 今後の予定は?

――今年はヨーロッパ方面への旅が多くなるんじゃないかな。「気になる」がシリーズ化すれば、台湾とかヨーロッパ方面についても出版したいと思っています。

 

HLC ありがとうございました。

 

【Profile】
やました・まぬー 海外渡航歴350回以上。海外関連の著書は55冊以上。独自の視点で旅の楽しさを伝える。『年間30日ハワイで暮らす』(小学館)、『色で旅するハワイ』(高砂淳二氏と共著・文芸春秋)、『かわいいハワイ』(中央公論新社)他、ハワイ関連の著書多数。
https://www.facebook.com/manoue3

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【取材後期】
初めてハワイへ行く時に手に取ったのが、山下マヌーさんの『1週間ハワイ』(メディアファクトリー)でした。どれも似たようなガイドブックが並ぶ中で、一番参考にしたいと思った本。アジアを旅した時も、常にバックパックには、マヌーさんの旅の本。当時を懐かしく思いながらインタビューさせていただきました。今回の新刊『気になるハワイ』でも、普通に歩いていたらつい見落としてしまいそうなところも、また違った視点で紹介してくれる。やっぱり旅の達人なのだな~と改めてリスペクトです。

過去のインタビュー記事はこちら

エディター MACHA 趣味:山で奉納フラ

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