【地球とともに暮らす人々のおはなし no.2】 “感動して、ほっとする!”カウアイ島の大自然
- 2015/12/24

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毎日なにげなく暮らしている中で、
ふと心が満たされる瞬間があると思います。
たとえばそれは地球の自然、季節の変わり目、大地の呼吸を肌で感じる瞬間、
からだの中にパワーがあふれてきます。

このシリーズでは、そんな地球とともに暮らす
サスティナブル(継続的)なライフスタイルを過ごしている方々から
さまざまなお話を聞いていきます。

お二人目は、カウアイ島を知り尽くしたネイチャーガイド ボビー長尾さん。

ハワイ各島、日本各地から、日常の中の意識を少し変えるお話をお届けします。


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no.2
“感動して、ほっとする!”カウアイ島の大自然

ハワイ諸島の中でも最も古く、500万年以上の歴史があるカウアイ島。その姿は、2015年夏に公開された映画「ジュラシック・ワールド」でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。あのような雄大な景色の“本物”が日常にあることこそ、カウアイ島の最大の魅力。まさに太古の自然が、そのままに今も息づいている奇跡の島なのです。

20151224_sust_bobby02b 島の北西海岸にある「ナ・パリ・コースト」。人生で一度は見てほしい絶景です!

 

シンプルな形のカウアイ島ですが、その景観はバリエーション豊か。虹もたくさん見られます。島の中心にあるワイアレアレ山は年間の降雨日数で世界一になった場所として知られていますが、それは頂上だけのこと。島の西側は雨が少なく、赤土のワイルドな景色が広がります。“太平洋のグランド・キャニオン”と呼ばれる壮大な「ワイメア渓谷」もこのエリアからのぞめます。

 

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北側はのどかな町並みとタロイモ畑や美しいビーチなどの豊かな自然が楽しめます。のんびりと昼寝をするハワイアン・モンクシール(アザラシ)にも、よく出逢えますよ!

 

 

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東側は海岸線からのぼる朝日が美しいリゾート、南は太陽の光がたっぷりと降り注ぐ、アクティビティにぴったりのエリア。全米No.1にも選ばれたポイプ・ビーチにはカラフルで人懐こい魚たちがいっぱいいます!

 

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一日ですべてを楽しむには見どころが多すぎますが、すばらしいビュースポットが比較的まとまっていてアクセスしやすいカウアイ島は“一島まるごと絶景の島”なのです。

 

神様がつくった庭園の島“ガーデン・アイランド”とも呼ばれるカウアイ島。ハワイ諸島の中でも特に緑豊かなこの島には、固有種の動植物が数多く生息しています。最も古い島だから、たっぷりと時間をかけて、この島ならではの進化を遂げた植物や動物はとても興味深い存在です。たとえば、正装のレイに使われる「マイレ・ラウリイ」はカウアイ島の固有種。ハワイ語で“ラウ”は“葉っぱ”、“リイ”は“小さい”という意味です。マイレという植物は何種かありますが、マイレ・ラウリイは、その名の通り葉が小さく、桜餅の葉のような、とてもよい香りがします。

 

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また、小さなグリーンの実をつける「モキハナ」もカウアイ島ならではの植物です。スパイスの八角(ハッカク)の仲間で、こちらもすばらしい香りがします。ハワイでは島ごとに決められたレイがあり、カウアイ島のレイは、この「モキハナ」でつくります。ちなみに、オアフ島は黄色の花「イリマ」、ハワイ島は赤い「オヒア・レフア」の花、マウイ島は「ロケラニ」というピンクのバラでつくります。カウアイ島のレイは、緑豊かな島のイメージにぴったりだと思いませんか。

 

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他に、印象的な紫の花をつける「モヒヒ」は、香りのないミントの原種。普段みなさんが口にするミントに比べて、大きくてかたい葉が特徴です。このモヒヒが香りをなくしたのもハワイならではの進化といえます。植物の香りは、本来自分を守るためのもので、殺菌や虫よけ、動物よけの効果があります。ハワイは植物にとってやさしい環境だったため、生きのびるために香りは必要なかったのです。このような植物は他にもいろいろありますが、近年は外来の動物や病気にやられてしまうことも増えています。外来種との共存も自然の流れ、自然のバランスと考えれば、このモヒヒにも、いずれ香りがつくかもしれません。

 

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逆に、とてもよい香りを身に付けたのが「コキオ・ケオ・ケオ・ワイメアエ」。“コキオ”は“ハイビスカス”、“ケオ”は“白い”という意味です。この“ワイメアエ”はカウアイ島固有種で、よく見かける色鮮やかなハイビスカスの多くは香りがしないのですが、この真っ白なハイビスカスは、本当にすばらしい香りがするんですよ。

 

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ほかにも、カウアイ島のかわいい鳥たちを少しご紹介しましょう。まず「エレパイオ」。蜜吸い鳥の一種で、この色のエレパイオはこの島の固有種です。くちばしの形が、カウアイ島に生息している原種の植物の形と合っていて、蜜をもらうかわりに植物の受粉を助けるよう、一緒に進化をしてきました。

 

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それから、きれいなオレンジ色の「イイヴィ」。実はこの鳥はカウアイ島では少なくなっています。蚊が媒介する病気で死んでしまうからなのですが、ハワイ島やマウイ島のように標高の高い山がある島では、イイヴィの好む植物を蚊の来ない標高の高いところに植えて避難させています。

 

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カウアイ島を訪れる方は皆、この島の自然に感動すると同時に「ほっとする!」とおっしゃいます。それは、きっと豊かな自然の中にいることが、人間にとっても自然なことだから。人間の本能がよろこんでいるのだと思います。僕らも、外から来てくれた人たちが感激してくれることで、身のまわりにある自然の価値にあらためて気がつくこともあります。だから、カウアイ島をもっと知ってもらうための仕事をすることは、僕たち自身の、島の自然をまもる意識を高めることにつながると思っていますし、カウアイ島に来てくれるみなさんに心からよろこんでもらえるよう、毎日がんばっています!

 

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文章・写真 ©ボビー長尾

 

【Profile】
ボビー長尾(ぼびー・ながお)
1962年カウアイ島生まれ。カウアイ島の観光ガイドとして25年以上のキャリアを持つ、島を知り尽くす日系3世のエコ・ツアーガイド。カウアイ島の人々と自然を愛する彼が2003年に設立したのが、現在の「カウアイ・アウトドア・アドベンチャーズ&ツアーズ(K.O.A.Tours/コア・ツアーズ)」。ノースショアやワイメア渓谷、カヌー&カヤックツアーなど、全島にわたってエコアドベンチャーな体験プログラムをプロデュースする。
公式HP:http://www.koatours.com

 

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