【Aloha Interview Vol.63】ALOHA TABLE総料理長/伊藤龍太郎さん
- 2015/12/15

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国内外に60店舗展開するZETTON その中でALOHA TABLEの総料理長を務めるのが、株式会社ゼットンの執行役員でもある伊藤龍太郎さんです。大学卒業後、有名レストランで修行を積み、ゼットンに入社後は料理だけでなく人材育成にも力を入れてきました。そんな伊藤さんが大切にしているのは、自分と同じマインドを持つ人をどれだけ育てられるかということ。そう考えるようになったいきさつとこだわりをうかがいました。


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HLC 料理人になろうとしてきっかけをお聞かせください。

――大学入学当初は、自分が料理人になるとは思ってもいませんでした。高校時代からラグビーに勤しみ、大学にもスポーツ推薦で入り、将来は自分の大好きな車(スカイライン)の販売をしたいと考えてました。ちょうどその頃、テレビで「料理の鉄人」という番組が放映されていました。輝くスターシェフの皆さんを見て、「自分の仕事はこれだ」と全く別の職業に就く事を決めました。そう決断したくらい衝撃を受けた番組でしただったのです。

 

HLC 元々、料理に興味があったのですか?

――母がよく料理教室を開催していたこともあって、昔から料理には興味があり、小学生の頃からよく手伝いをしていました。大学卒業後、どうせ料理人になるなら一流ホテルの総料理長を目指そうと、愛知県にあるシティホテルの中のフレンチレストランに入りました。そこでフランス料理や結婚式の料理を学び、その後イタリアンレストランも経験しました。

 

HLC ZETTONに入ることになったいきさつは?

――今から約13年前、自分の店を開くための資金を貯めようと、料理に関係する稼げる仕事を探していました。入社のきっかけは求人誌で「何となくビビット来た」からです。

 

HLC それから独立せずZETTONで取り組んできた理由は?

――それでも5~6年前までは自分の店を持とうと考えていました。ラーメンが大好きなので、サラリーマンの多い町で、ワンコインで美味しくて速く提供できる商品を販売したいと常に考えてました。しかし、自分一人では1日に数百人のお客様しか幸せにする事はできません。だったらALOHA TABLEで、自分と同じマインドを持つ人を育てて、一日何百人、何千人と来ていただいているお客さん全てを幸せにしたいと思うようになったのです。

 

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HLC ここでいう伊藤さんの“マインド”とは?

――料理人を取り巻く環境は、決して恵まれているとはいえません。そんな中でも、お客さんにおいしい物を食べてもらい、楽しんでもらおうという気持ちがあることが一番大切です。店に来てくれたお客さんに“楽しい”という時間を提供するための一部が料理だと思っています。そのためには、そこで働くスタッフが楽しんで仕事をしている必要があります。スタッフに、厳しくも楽しく仕事をしてもらえる環境をつくるのも料理人の仕事だと思っています。

 

HLC 人材の育成に力を入れているのですね。

――以前は自分の店に来てくれた人を幸せにすることだけを考えていましたが、それが果たしてALOHA TABLE全店に来てくれるお客さんのためになるのかと疑問に思いました。そう思った時に、料理を作るのではなく、そのマインドを皆に伝えていくことがALOHA TABLE全店に来てくれるお客さんのためになるのだと考えたのです。お金をかけてレシピをつくるのではなくて、人の心を動かすことが大切。人は宝です。店をつくるにしても、メニューをつくるにしても、自分ひとりではできません。もし仮に同じマインドの人材を3人育てることができたら、その3人がそれぞれ3人を育てれば9人になります。

 

HLC なるほど。

――今、レシピはインターネットなどいたるところにあふれていて、ある程度の腕があれば何でも作れる時代。しかし美味しい料理を提供できる人はごまんといますが、人を育てられる料理人は少ないのが現状です。この料理長と一緒に働きたい、こんな料理長になりたいと思ってもらえるような人材を育てることが、自分の使命だと感じています。

 

HLC そのために大切にしていることは?

――一番大切なことは、礼儀礼節です。料理よりもまずは挨拶ができ、感謝の気持ちをしっかりと言葉で伝えられことが大切だと思っています。誰に対しても敬意を持って接することができないと、人はついてきません。そういったことをトップダウンで伝えるのではなく、自分が手本となって行うことで、皆に伝えていきたいと思っています。自分の背中を見て何かを感じてもらえるように、まずは自分が精進しなければなりませんね。

 

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HLC レシピへのこだわりは?

――現地の感覚を再現することを一番に考えています。料理に使う素材や調理法は、日本のほうが優れている部分があるかもしれません。しかしお客さんは、単においしい物を求めてALOHA TABLEに来ているわけではないと思うのです。日々の忙しさから解放されて、仕事の疲れをいやしに、日本にいながらハワイの雰囲気を楽しみたいと思っていらっしゃる人も多いのではないでしょうか。料理がおいしいだけでも、音楽がよいだけでもいけません。ハワイはこういうものなのだと連想してもらえるような料理を作ることが大切だと思っています。

 

HLC 具体的には?

――例えばガーリックシュリンプやポークチョップにしても、ハワイで提供されるような見た目のボリューム感と、味の濃さはしっかりとり入れています。それだけでなく、美味しく再現するために素材選びや調理法は若干変えています。ハワイに行った時に、「日本のALOHA TABLEで食べた料理と一緒だけど、ALOHA TABLEの料理のほうが美味しかった」と言ってもらえたらうれしいです。

 

HLC ハワイとは以前から関わりがあった?

――ALOHA TABLEで働くようになってから、勉強のために行くようになりました。最初は観光地のイメージが強かったのですが、通っているうちに、皆が幸せな顔で生活していることや、独特の時間の流れが心地よいと感じるようになりました。今はハワイに行くとレンタカーを借りてオアフ島を一周し、各地でおいしい物を食べ歩いています。各地の名産品やおいしい物は、その土地で食べるから意味があるのだと思います。

 

HLC 伊藤さんが感じるハワイ料理の魅力とは?

――これがハワイ料理だという正解がないところです。ハワイには様々な料理が混在しているので、自分の好みの料理を見つける楽しさがあります。それに、同じメニューでも土地や作った人によって味が違います。その味の違いも面白い。それらを食べ比べ、自分の好みの料理を見つけた時の喜びは最高ですね。

 

HLC ありがとうございました。

 

【Profile】

伊藤龍太郎 いとう・りゅうたろう
1975年岐阜県生まれ。大学卒業後、愛知県にあるホテルのフレンチレストランに入社。その後同ホテルのイタリアンレストランへ移動。2002年にALOHA TABLEの親会社である株式会社ゼットンに入社。料理長、統括料理長、副部長、購買部長を経て、現在執行役員と購買衛生管理室ハワイ事業部総料理長。

ALOHA TABLE
心地よい時間と本物へのこだわりをもったハワイアン・カフェ・ダイニング。
国内外に47店舗展開する。
http://www.alohatable.com/

【編集後記】
お話をうかがったのは、都内にあるALOHA TABLEテストキッチン。今まさに新しいレシピが開発されようとしている現場でした。料理人というと、毎日レシピや食材のことばかり考えているのかと思っていましたが、伊藤さんが最も大切にしているのは料理人を育てるということ。身の周りの小さな範囲だけでなく、もっと大きな範囲で人を幸せにしようとしている姿勢に、感銘を受けました。よく利用しているALOHA TABLEですが、今度はまた違った目線で楽しめそうです♪

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エディター MACHA 趣味:山で奉納フラ

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