【Aloha Interview Vol.17】イラストレーター/ヒロクメさん
- 2012/02/12

20120216top

イラストに写真、音楽、執筆活動と、そのマルチタレントぶりを発揮するヒロクメさん。イベントのポスターに雑誌カバー、アロハシャツ、カレンダー、CDジャケット、カードなどなど、その作品を目にする機会は少なくありません。「古き良きハワイ」をテーマに、ユニークな色使いで独特のヒロクメワールドを創り上げ、湘南・江ノ島にはギャラリーも。日本のみならずハワイや北米でも活躍するヒロクメさんに、ハワイへの思い、創作の原体験などをお聞きしました。


20120216Halemaumau

HLC ヒロクメさんの創作活動は多彩ですね。

――― 皆さんには、「イラストレーター」として、見ていただいているようですが、実際はイラストのほかにも写真や作曲、執筆活動なども続けており、多彩というより、自分では、“何でも屋”だと思っています。まあ、気付いたらそうなっていたという感じですが。。。

 

HLC 写真の方も半端ではないとお聞きしています。

――― 写真は、趣味として何十年か撮っていて、その数はもう数万枚にもなりますね。主にオールドタウンやジェネラルストア、シアターなどを題材とすることが多くて、中にはもうなくなってしまったものも数多くあります。その写真をウエブサイトなどに載せていますが、出版社などからよく問い合わせが来ますね。出版社もそういうのは持っていないようで。。。

 

HLC ハワイとの出会いも写真ですか?

――― いや、そういうわけではなくて、むしろ、音楽かな。もともと10代後半から、茅ヶ崎、辻堂あたりで波乗りをしていたんですが、当時は、いわゆるサーフ・ロックが流行りで、私もカラパナとかよく聞いていて、それを通じて何となくハワイにあこがれるようになりました。ただ、その頃はツアー代もドルもすごく高くてとてもハワイには行けませんでしたが、あこがれだけは強くありましたね。

 

HLC なるほど、きっかけは音楽ですか。

――― そう。その延長で曲作りを始めたのです。演奏したり、歌ったりということではなく。それも特にハワイとは関係なく始めたのですが、やはり歌詞は、ハワイっぽいものやトロピカルな感じのものが好きでした。

 

HLC では、絵を描くようになったのは。

――― これも元をたどれば音楽なんですが、70年代ウエストコーストのロギンス&メッシーナというデュオが好きで、そのCDに「ラハイナ」という曲があり、ジャケットの写真なんかもラハイナの風景だったのでそのシーンにずっとあこがれていました。そうですね、ラハイナに行きたくてハワイに行ったようなもので、以来、マウイ島だけでも30回以上通ってますね。

 

HLC マウイ島に30回ですか。。。

――― そのラハイナで、ちょうど20年前、偶然に素晴らしいフルムーンを見たんです。それがあまりに明るくて、すごくて、きれいで、思わずシャッターを切ったのですが残念ながらうまく撮れなかったけど、そのイメージは頭の中にくっきりと残りました。マウイ島は、ギャラリーにも月を描いた作品が多くて、それで、日本に帰るとすぐにアクリル絵の具を買いに走り、描き方も分からなかったので教本も同時に探して、つかれたように絵を描き始めたんです。それが最初といえば、最初ですね。今でもこの話をすると、周りからは何かが降りてきたんじゃないかと言われますが、本当にそうだった気もします。

20120216Hale_Northshore

 

HLC まさに神がかり的なストーリーですね。でもそれがハワイらしくもある。ところで、そんなお気に入りの場所に行った時はどう過ごすのですか?

――― ラハイナのサンセットは、ハワイでも最もきれいだと言われていて、それを見ながら好きな音楽を聞いたりして過ごすことが多い。西日が山に当たると必ず虹が出ていたりしますし。夜になると、町のいたるところで弾き語りをやっているのでそれに聞き入り、海に張り出したレストランで食べたり飲んだり。。。「ラハイナ」というのは「日射しが強い」という意味ですが、文字通り昼間はからっとして気持ちがよくて、ビールなんか飲むと最高ですね。

 

HLC ゆったりとした時の流れを楽しむ。ラハイナ以外だとどんな所へ?

――― 島の反対側にあるハナも好きですね。何もないところがいい。まるで時間がとまったようで。ハセガワ・ジェネラルストアやホテル・ハナ・マウイなどが気に入ったスポットです。ハナでは、運がよければ海から満月が昇るという、すごく幻想的なシーンに出会える。月の光で肌がじりじりするような感じとか、ハナには特別なパワーがある気がします。何か荘厳な空気感というか、そういうものがある。

20120216Blue_Lagoon

HLC ハワイ島ではいかがでしょうか。

――― やはりヒロですね。湿度が高いところがいい。58号線を北に走ると左に熱帯のジャングルが見えていくつもの滝が流れ落ちている風景が好きです。昔、「エルシーズ」というカウンターだけのお店がヒロのダウンタウンにあって、日系のおじいさんたちが集まって、広島弁で話している場面によく遭遇しましたが、そういうのっていいですよね。ハワイ島は日系人が多く、ジェネラルストアなど、その名を付した店名も少なくなく、それが好きでよく写真に撮っていた。今は、それがどんどん大型スーパーにとって替わられてしまうのが寂しいですね。次に行くと、そのお店がなかったりするわけですから。

 

HLC ヒロクメさんがイメージするハワイ的なライフスタイルとは?

――― ゆったりと時間を使うということですね。そして、音楽です。家でもいつもゆったりとした音楽をかけています。自分がプロデュースしたものもいくつかあって、メロディーがいいものや、ゆっくり、ゆるいスローな感じ、メローな感じの音楽が好きなんです。

 

HLC やはり、音楽は欠かせないと。それも含めて、これからも多彩な展開が楽しみです。

―――今年は、夏の北鎌倉での展示会が決まり、秋には京都で個展を企画中です。ハワイだけではなく、以前から取り組んでいる沖縄、京都の絵に加え、新たに企画しているものもあります。また20年以上、撮りためた「古き良きハワイ」をテーマにした写真の写真展も開催したいと思っています。音楽関係では、長年作り続けてきたオリジナルソング(日本語)のCDを出すのが夢で、これから時間をかけてアレンジなどをして録音準備をしていきたいですね。引き続き、各地のハワイ催事やフライベントにもグッズショップを出店しますので、そういう場で、皆様にお会いできるのが楽しみです。

HLC ありがとうございました。

 

【 P r o f i l e 】
1980年代から、“古き良きハワイ”をテーマに写真を撮り続け、 1991年、マウイ島ラハイナで見た幻想的で美しいフルムーンに 魅せられたのをきっかけに絵画、イラストにおいてもその世界を表現し続けている。湘南・江ノ島にヒロクメギャラリーを開設するほか、神奈川県逗子市のハワイアンショップ「コモンマイナ」でも展示販売を開始した。

オフィシャルサイト: http://www.hilokume.jp/

【 取材後記 】
 イラストレーターとして存じ上げている部分が主だったが、聞けば、「絵描き人脈はほとんどなくて、音楽人脈の方がずっとたくさん」なのだそうだ。確 かにお話からは、多彩な活動の軸に音楽への強い思いがにじみ出ている気がする。アートは、先入観なしで素の魅力を堪能するのもよいが、作者の背景・足跡を 踏まえて、いろいろ想像しながら楽しむのもまた面白い。ヒロクメさんの作品は、個人的には主に後者型で楽しませていただいている。多彩な感性の有機的バラ ンス感がよいのだ。となると、今年の夏は、北鎌倉探訪、ですね。