【Aloha Interview Vol.9】アーティスト/佐藤ロドリゲス達博さん
- 2011/08/15

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恵比寿三越で8月初旬まで開催されていたハワイフェアは、従来のデパート催事のイベントとはやや趣向が異なり、とてもアートな雰囲気でした。スペースこそ決して広くはありませんが、その一角には様々なタイプのアートが展示されており、出店も皮細工や染物など独特のラインアップ。その仕掛け人がロドリゲスさん。会場で偶然出会った彼に、そのねらいやこだわり、アートな世界観などを聞きました。


 

HLC そもそもハワイアンアートとはどんな風に出会ったのでしょうか?

ロド きっかけはオリジナルデザインのTシャツを作り始めことですね。もう10年以上も前ですが、当時はTシャツのデザインもあまりいいと思えるものがなく、だったら自分でやってみようと思い立ち、プリントビジネスにはまったわけです。それに没頭し、いろいろと考えるなかで、ある日、自分はTシャツを作りたいのではなく、絵が描きたいんだとわかりました。絵を仕事にしてみようと。それがスタートでした。

 

HLC そうですか。恵比寿三越のハワイアンフェアが、他の同種イベントと比べてアート系の出店が目立つのもそうした背景からですね。

ロド もともとは、あるギャラリーの展示に来られたお客様とのご縁で、このハワイイベントに関わることになり、気付いたら自分が出店者を集めることになっていました。ご指摘の通りアート性が強いという点で、他のイベントとは差別化ができていると思います。絵画だけでなく切り絵アートや皮工芸、染物、刺繍など、ユニークなアーティストが集まっています。

実は、前回からアートコーナーのボリュームを増やしています。個人的には、日本人は他国民と比べるとアートに対する意識があまり高くないのでは、と考えていたのですが、そうではありませんでした。お客様のなかには、絵を値段だけでみるのではなく、どこにどう置くと素敵か、など、そのシーンまで含めて会話される方が思いのほか多く、ちょっと驚きました。このイベントは今夏で4回目ですが、今年はクリスマスにも実施する予定です。

 

HLC ハワイのどこに特に興味を持たれているのでしょうか。

ロド 自分の考え方と共通するのは、人を受け入れること、ですね。ハワイはとにかく「受け入れてきた地域」なのです。いろんな宗教や人種、文化などなど、まさにメルティングポットです。それが、これまで自分の経験してきたことや考えてきたこととつながっていると思うのです。

 

HLC それが表現にも影響していると。佐藤さんのアートの世界観とは?

ロド 私の絵には少しずつ遊びがありますが、それを説明はしていません。でも、描かれている一つひとつのもの、人物にすべて具体的なストーリーがある。例えば、この男は何歳でどこに住んでいて、いつも○○というレストランで、Lサイズのコークを頼んで・・・みたいなことですが、その話を長々と聞いてくれるお客様がいらっしゃいます。

 

HLC なるほど、リアルなストーリーが埋め込まれているわけですね

ロド 絵には世界観があって、それぞれに物語がある。好んで取り上げるモチーフは、例えば、枯れていく草花や錆びていく鉄、無造作に置かれた段ボールとか。つまり、そうしたものが発する空気感ですね。風がふいて時間の経過を感じさせるもの。その変化の途中が空気感だと思います。そこに引かれます。「ハワイアンワーカー」というカテゴリーもあって、例えば、空港で荷さばきをしている人の労働着なども題材にします。そういう生活感のあるローカルの視点を取り入れていきたいですね。

 

HLC これからの創作活動はどんな方向ですか?

ロド 続けたいのは表現手段の開拓ですね。私には、画廊があるわけではなく、いろいろな所へ出て行くことになります。それに、私の作品は、うまい料理やお酒、そして楽しい会話や音楽とともに楽しんでいただきたいのです。イベントに出店したり、自分で主催したり、と方法は様々ですが、とにかく多くの方々の胸をお借りしながら、少しずつ歩んでいければと思います。

来年ですが、「男フラ祭り」を計画中です。カネフラを盛り上げていこうと。フライベントも出演したら帰ってしまうのではなく、見るために来てほしい。そのためには、発信力を高め、1人でも多くの人をハワイに引き込んでいきたいのです。

 

HLC ありがとうございました。

 

【プロフィール】
社会人としてのキャリアは全て営業畑と言う職歴を持つなか、サーフィンや音楽、食べ物、音楽など、徐々にハワイが好きになり、いつかハワイの仕事をしたいと思う。アパレル、広告代理店、そして一番長い職歴の輸入車販売などを経て、ある日突然会社を辞める。「今日からハワイアンアーティストになる。」そう決めた時から運命的な出会いに恵まれ、今日のロドリゲスがある。モットーは「ゆるゆる」

【編集後記】
ロドさんは、会場でのアポなしインタビューにも関わらず、とても丁寧に応えてくださいました。話をうかがっていて、アーティストというよりプロデューサーという印象を受けました。ご自身も営業畑がほとんど、とのことでしたが、その影響でしょうか。そして、これからの活動について、とても強い意志を感じたのも事実。最初は「デザイナー」という肩書きだったものを、「アーティスト」に変えたそうです。それは自ら発信、表現していきたいという想いからだったといいます。ぜひともこれからのハワイアンアートにいろいろな広がりを与えてほしいと思います。