vol.20 — パワースポット(聖地)の正しい理解と礼儀作法 —
このところ、パワースポット(聖地)のマナーが悪いという記事を目にしました。
メディアで取り上げるパワースポットは「ご利益」を求めるものばかりで、
その真意を取り上げていません。
これは日本ばかりではなく、ハワイはもちろん、世界中のパワースポット(聖地)でも
同じことでしょう。
ハワイの聖地には自然の神々が宿っています。
日本の原始宗教と同じように、森羅万象すべてのものに神が宿るという宗教観でした。
もともと聖地やパワースポットというものは自然そのものであることがほとんどです。
その大自然のパワーを強化するために、また祈りの対象とするために、
神社仏閣や祭壇が造られました。
しかし残念なことに、ハワイの神社仏閣や祭壇にあたるものは、
キリスト教が入ってきて以来、取り壊されてしまいました。
中には破壊を逃れたり、再建されたりしているものもありますが、
多くはその残骸(瓦礫)しかありません。
とはいえ、神々の魂(エネルギー)はいまもなおその地に宿っています。

さて、日本の神社をお参りするとき、どのようにしているでしょうか?
初詣はお正月の習慣となり、お賽銭を入れて、今年一年の無事を祈願し、手を合わせて祈ります。
ちゃんと正しくやろうと思えば、参道の歩き方から、手水所での作法、
二礼二拍手一礼をはじめとする参詣作法があるのです。
もちろん祭壇に土足で上がる人や座り込む人など(おそらく)いません。
さて、ハワイの聖地の場合、どうでしょうか?
先にも述べましたが、自然そのものが聖地のことが多く、
祭壇などは破壊されていて現存しないことが多い。
祭壇がないからといって、作法を無視していいということはありません。
足を踏み入れていい場所、悪い場所。
その土地での作法、過ごし方など、日本の神社仏閣と同じようにあるのです。
そこへ行くとパワーがもらえるから、波動が受け取れるから、と
作法を無視して入っていく姿を目にします。
日本に置き換えれば、祭壇に土足で踏み込み、どっかり座り込み、
ワイワイ、キャーキャー騒ぐ感じ。
パワースポットがブームになり、日本の神社仏閣、
ハワイの聖地などに足を運ぶことは決して悪くありません。
しかしそこでの作法、礼儀を怠っていては、
ありがたいパワーをいただきに行ったとしても、神様は与えてくれはしません。
ひどいときには天罰さえ下るのです。

パワースポットは、なりたい自分を宣言する場所だととらえています。
いままでの自分を見つめて振り返り、新たな気持ちでこうなります、と宣言しにいく場所。
聖なる土地とご縁をいただけたことに感謝し、みずからの志を固める場所だと思うのです。
聖なる土地のエネルギーをいただいて開運しようと思う前に、最低限のマナーは守りたい。
感謝の心、謙虚さ、敬意はいつの時代も、誰にでも必要なことです。
その気持ちを携えて、ちゃんと聖地を巡れば、きっと開運への道の上を歩くことができるはずです。
ブームになっているからこそ、正しく理解することが大切なのだと思うのです。
気分一新、新たな気持ちで、感謝の心、謙虚さ、敬意を携えて
その土地の神様にお会いさせていただこうと思います。

【Profile】
千田 育(せんだ やすし)
ALOHA ‘AINA CONNECTIONS主宰 。
『癒しのパワースポット ハワイ』(アールズ出版刊)シリーズ4冊を執筆。
モノで満足するハワイより、心に深く刻まれるハワイの魅力、自然からの学びや
ハワイアンの精神性などを人々に伝えるアロハ・コネクターとして活動中。●ALOHA ‘AINA CONNECTIONS
https://www.facebook.com/AlohaAinaConnections