【Aloha Interview Vol.93】プロサーファー/堀口真平さん
- 2018/04/27

プロサーファーの父をもち、物心つく前から海で波と戯れてきた堀口真平さん。自身もプロサーファーとなり、ビッグウェーブを求めて世界を旅しながら数々の大会で活躍してきました。現在はハワイに移住し、ハワイの海を舞台にサーフガイドやレッスン、コーチなどの活動も行なっているといいます。そんな氏に、海やサーフィンの素晴らしさ、ハワイの魅力などをうかがいました。


Photo Kamio

HLC 幼い頃からサーフィンはライフスタイルの一部であったと思いますが、プロを意識し始めたのは?

——本格的にプロサーファーを目指し始めたのは、小学校2年生くらいの頃です。サーフィンを始めたきっかけはもちろん父親で、物心つく前から海水浴に出かけ、ショアブレイク(波打ち際で崩れる波)でボディーサーフィン(体をボードのようにして波に乗る)をしたり、ボディボードに寝転がってチューブ(波が崩れて筒状になっている部分)に入ったりしていました。

 

HLC サーフィンのどのようなところに惹かれているのですか?

——サーフィンは、自分と自然を繋いでくれるもの。波に乗ることは、自然のエネルギーに乗ることだと思っています。そのエネルギーに自分のリズム、波長をリンクさせることによって自然により近い状態、よりナチュラルな状態に自分を持っていけます。あと、単純に楽しい。

これは個人的な考えですが、人間社会で生きているとどうしても人が強くなって、地球があって人がいる「地球の中の人間」ということを忘れがちです。海に入ることで、そういった大事なことを思い出させてくれるような気がします。

 

HLC 現在、ビッグウェーブサーファーとして活躍されていますが、サーフィンに対してのこだわりは?

——自分の限界を超えて大きな波に乗ることです。子どもの頃は小さな波にしか乗れなくても、大人になって恐怖心を乗り越えたら大きな波に乗れるようになった。でもさらにまた大きな波があるというように、どんどん自分の限界にチャレンジしていくことで技が磨かれていきます。技を磨くことは自分を磨くことにつながります。

特にビッグウェーブは命がけですが、命をかけるから偉いわけではありません。より純粋なことなのです。そして、一生懸命に挑戦すると、生きていてよかったと思わせてくれます。

 

Photo Kamio

HLC 恐怖心にはどのように打ち勝つのですか?

——自分の中に恐怖心と好奇心(興味)が同時に存在していて、好奇心の方が少しだけ恐怖心に勝っているから波に乗れます。逆に恐怖心が勝った時は行かないほうがいい。「怖い」という気持ちは皆一緒で、波の大きさが身長サイズで怖い人、20フィートで怖い人、30フィートでも怖くない人などそれぞれ。それらに打ち勝つ努力をすることです。

 

HLC ビッグウェーブに挑戦するために、特別なトレーニングはしていますか?

——よく息を止める訓練をしています。例えば10秒しか息を止められなかったら行くことができないところも、1分止められたら行くことができる。息を止める訓練は、やればやるだけ成果が得られます。今は3分くらい止められますよ。あとは、メンタルトレーニングですね。

例えばダッシュをして息を吐いて止めるというトレーニングをするとします。これは実はサーフィンをしている時に近い状態。息が上がっている状態だとせいぜい10秒くらいしか止められません。そうやって自分を追い込み、確認する作業をしてきました。自分の中に自信がないと、挑戦してみたいという気持ちにならないものですから。10個頑張って1個進むというイメージでしょうか。

 

HLC サーフィンを通して見るハワイの魅力は?

——バラ色、虹色、パラダイスです(笑)。波は必ず島のどこかにあり、しかもビッグウェーブからスモールウェーブまで、波の受けが広い。それがハワイの場合極端で、世界一といわれてもよいパイプラインというポイントがあり、世界チャンプが生まれる海がある。逆にワイキキビーチのように、サーフィンを始めるにはベストな場所もある。1から10までそろっているのがハワイ。サーファーズパラダイスです。特にオアフ島は1時間で北にも西にも東にもいけるちょうどよいサイズ。都会もあれば田舎もある。やっぱり世界のハワイです。

 

Photo Kamio

HLC 現在のライフスタイルは?

——ハワイに住み始めて4年くらいになりますが、基本は海がベースです。これまでプロサーファーとしてやってきたので、サーフィンを教えたり、海やハワイでの遊び方を伝えたり、その日のいいポイントに案内したり、サーフィン合宿で来る子ども達を受け入れたりもしています。ハワイでは冬はサーフィンの世界大会があり、そこでよい成績を残せばトップサーファーになることができます。その波を若いうちから知っておくと有利なのです。

 

HLC 今後の展望などをお聞かせください。

——ハワイに引っ越して来てまだ日は浅いのですが、子どもの頃から来ているのでハワイ歴は30年以上あります。行ったり来たりの生活をしていると、ハワイやハワイアンのよさ、日本や日本人のよさがたくさん見えてきます。ハワイの気持ちよい場所、雰囲気を日本の方々に感じてもらえるようなお手伝い、ちょっとした気持ちいい社会貢献ができればと思っています。

 

HLC 最後に。東京オリンピック・パラリンピックでサーフィンが競技種目になりましたが、どのようにお考えですか?

——やっと来たかと思いましたね。ぜひ盛り上がって欲しいです。オリンピックは世界に認められるステージなので、そこで頑張って欲しいし、勝てるようなお手伝いができれば嬉しいです。

 

HLC ありがとうございました。

 

【Profile】
1982年8月25日生まれ。和歌山県串本出身。サーフィン歴は28年以上。2003年XCELプロイベント7位、2006年レッドブルチーム日本代表など。2014年にハワイに移住し、プロサーファーとしてだけでなく、サーフィンやハワイの素晴らしさを伝えるガイドとしても活躍。前パプアニューギニアサーフィン大使、海の学校校長などの活動も行なっている。

サーフィン道場Holy Surf
プロサーファー堀口真平が設立したサーフィン道場。Holy Surfとはサーフィンを通じて、自然との調和の仕方や社会との関わり方を模索する「サーフィン道」を追求する場所。Surfingから得た事を発信し、次世代を育ていくベースとなる。
http://www.holy-surf.com/about.html

【編集後記】
取材場所で指定されたのは、ケワロズというサーフポイントが目の前のビーチパーク。その日は波もよく、もしかして海から上がってこられてそのまま取材するのでは?と思ってしまいましたが。。。その日は普通にお会いして取材をさせていただきました(笑)。「ハワイに来たら是非サーフィンしてほしい!」と言う堀口さんのサーフィン道場は、プロだけでなく初心者からでも優しく教えてくれるそうです。次回ハワイでサーフィンするときにはぜひご一緒させえてもらえたら幸いです!