【Aloha Interview Vol.92】ALOHA COFFEE LAB/桑原篤則さん&千枝さん
- 2018/03/27

オアフ島ホノルルで、コーヒーとハワイの魅力を伝えているALOHA COFFEE LABの桑原篤則さんと千枝さんご夫妻。「コーヒーは淹れ方次第で劇的に味が変わる」と、ラボを訪れる人たちにコーヒーの淹れ方をシェアしています。ハワイ産のコーヒー豆に出会ったことが移住の決め手となったというご夫妻。その魅力や、自宅でおいしくコーヒーを楽しむコツについてうかがいました。


篤:篤則さん

千:千枝さん

 

HLC ALOHA COFFEE LABはどのようなショップですか。

 コーヒーの淹れ方をレクチャーしたり、レストランやカフェを立ち上げる際のコーヒーのプロデュースをしたりしています。

ハワイに移住当初は、オアフ島アラモアナにあるカフェとセンチュリーセンターにあるラボでコーヒーレクチャーをしていました。それから徐々にハワイのコーヒーに関して多くの問い合わせをいただくようになり、「開店コンサルティング」など新たなビジネスをする機会が増えてきたのです。

 

HLC ラボを立ち上げた経緯は?

 ハワイ産のコーヒーといえば最初からフレーバーがついているものが多く、コーヒーそのものの味を楽しめる店があまりありませんでした。しかしハワイ島のある農園に行き、その場で収穫された豆で淹れてくれたコーヒーを飲んだ時、そのおいしさに衝撃を受けたのです。

そして話を聞いてみると、豆を色々なところに卸してはいるが、鮮度管理をきちんと行っていない店が多く、ベストな状態で飲んでもらえていないとのこと。彼らの力になれればと、コーヒーの専門ショップを立ち上げ、ハワイ産コーヒー豆のおいしさを伝えていこうと考えたのです。

HLC なるほど、それから淹れ方のレクチャーも始めるようになったのですね。

千 ハワイに通っているうちに、色々な人から「豆を買ってきても家でおいしく淹れられない」「店のフードはおいしいけれどコーヒーがおいしくない」という悩みを聞くようになり、それなら淹れ方を教える教室をつくろうと。当初、ALOHA COFFEE LABはうちのカフェで働くバリスタの子たちへコーヒー抽出理論習得や実技練習の場でした。そのうち、カフェをつくりたいのでコーヒーのプロデュースをしてほしいという話をいただくようになり、店を立ち上げるお手伝いもするようになったのです。

 レストランやカフェでアルバイトの子を雇っても、練習をしないとお客さんに出せるようなコーヒーを淹れることはできません。でも店舗で練習するには限界があるので、ハンドドリップやエスプレッソの抽出、機械の洗い方、セットアップの仕方、粒度の決め方などを詳しく指導します。その子たちが知識習得をしてしまうとマシンが空いてしまうので、一般の方向けにも基本的なコーヒーの淹れ方をレクチャーするようになりました。

 

HLC それが口コミで広まっていったのですね。貴店のこだわりを教えてください。

 正統派のコーヒーを飲んでもらいたいという気持ちがベースにあります。また、コーヒーをおいしく飲むことのできる期間は決まっており、豆が新鮮かどうかは、淹れる時にも分かります。その点にこだわってやってきました。先日、大阪にハワイアンカフェをオープンするから豆を送って欲しいというオーダーがあり、その日に合わせて豆を送りました。すると、配達の方が店に入った瞬間にコーヒーの香りが漂ったと言われました。これが本当に新鮮なコーヒーの状態です。

千 日本でコーヒーの淹れ方ワークショップを行うことがあるのですが、その時も焙煎して3、4日くらいの物が使えるように、鮮度にはこだわっています。

 また、稀少なコナコーヒーの中でも最上級グレードのエクストラファンシー(コナコーヒー100%)であること。加えて、シングルオリジン(1つの区画で採れたもの)を提供することにこだわっています。

HLC 現在のコーヒーの潮流は?

篤 現在、コーヒー業界には第4の波(フォースウェーブ)がやってきています。第1の波(ファーストウェーブ)でコーヒーがポピュラーな飲み物となり、第2の波(セカンドウェーブ)で、いわゆるスターバックスなどのコーヒーチェーンが台頭。第3の波(サードウェーブ)で、コーヒー豆の産地や豆そのもの、淹れ方などにこだわったスペシャルティコーヒーが注目されました。そして現在は、カフェに行って飲むというよりは、淹れ方へのこだわりや自ら淹れて楽しむ方向へとシフトしているように思います。

千 私たちがハワイにラボをオープンした当初(第3の波がきていた頃)は、ハワイにハンドドリップでコーヒーを淹れる店はほとんどありませんでした。ハワイ産の豆や豆の鮮度にこだわりをもっている店もほとんどなかったのですが、この1年で徐々に増えてきたと思います。

 

HLC そもそもバリスタを志したきっかけは?

 もともとコーヒーが好きで、凝り性の性格も相まって、週末は車にコーヒーを淹れる機材を積み込んで奥深い山の中で楽しんだりしていました。しかし、自己流なのでおいしくないし、日によって濃かったり、薄かったり。きちんと教えてくれるところを探していたら、アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)というのを見つけ、そこのメソッドを学ぶことになったのです。

CSAAは、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップやカップ・オブ・エクセレンスというコーヒー豆の品評会などを行なっている団体です。コーヒーは発展途上国で作られることが多く、間に色々な業者が入るため適正な価格で売買されていないことも。そういった流れを変えてコーヒー農園の地位を向上させたいと、フェアトレードなどにも注力しています。

HLC  ハワイ産のコーヒーの魅力は?

 エチオピアやグアテマラなどの、スペシャルティレベルのコーヒーはフルーティで酸味も良質でこれがコーヒーかと思うくらい。ハワイ産の豆はスペシャルティグレードまではいかず、洗練されきっていません。“土くさい”と表現されることも。しかし逆にそこが持ち味なのです。ナチュラル精製方法などで作られたそのおいしさをぜひ知ってほしいです。

千 おつきあいのあるビッグアイランドの農園は、動物を放し飼いにして、なるべく農薬を使わずに育てています。そこではハワイのコーヒーがとても大切に育てられているということが分かりました。それに、ハワイでないとこれだけ新鮮なコーヒーを飲むことはできないと思います。そういったことを伝えていきたいですね。

 

HLC 今後力を入れていきたいことは?

 コーヒーの淹れ方教室に来てくださる方、1人ひとりに丁寧にレクチャーするというスタイルはずっと続けていきたいです。今後は東京などで開催されるハワイアンフェアなども出店していこうと思っているのでぜひ飲みに来てください。

千 ハワイのコーヒーのおいしさを日本の方々にも伝えていきたいですね。

HLC コーヒーにまつわるうれしいエピソードはありますか。

 先日、ハワイアンの男性と結婚した日本人の女性が、コーヒー好きの旦那さんと一緒に訪ねてきてくれました。旦那さんは日本語が話せないので、奥さんが通訳を。奥さんは全くコーヒーが飲めませんでしたが、チョコレートを食べながら飲むと甘くなることを伝えたら、後日夫婦そろってベランダでコーヒーを飲んでいる写真に撮って送ってくれました。

家庭で朝、奥さんがちょっと頑張ってコーヒーを淹れてみたら、旦那さんがおいしいと言ってくれて朝の楽しみが広がる。そういう手助けができるのがあり難いですね。

 

HLC 素晴らしいお仕事をされていますね。

 おいしいコーヒーってどんなもの?と声をかけてもらったのが、ALOHA COFFEE LABのスタート。この名前には、全ての人とコーヒーをつなげていきたいという思いが込められています。そしてロゴのハートマークには、皆の心と心が繋がって欲しいという思いが込められています。特にハワイアンにはコーヒー好きが多い。コーヒーが間に入り、皆の輪を繋いでくれているかのようです。

 ハワイやハワイの人たちは、私たちが住むことを受け入れてくれました。なので、少しでもハワイに貢献するようなことをしたいと考えています。

 ハワイとコーヒーが皆をつなげてくれて、会いにきてくれる。それは多分ハワイという場所であったからだと思います。ハワイが好きで来る人たちに、ハワイのコーヒーと出会ってもらい、感謝していただける。ありがたいねといつも2人で話しています。

 

HLC ありがとうございました。

 

【Profile】
くわはら・とくのり ちえ
SCAA(スペシャルティ・コーヒー・アソシエーション・オブアメリカ)のメソッドでコーヒーを学ぶ。ハワイの友人から紹介されたハワイ島の農園で育ったコーヒーのおいしさに驚き、そのコーヒーをハワイ内外に届ける仕事をするためハワイに移住。2014年ALOHA COFFEE LABが誕生。ラボで開催している“おいしいコーヒーの淹れ方教室”がハワイ内外に広く受け入れられる。ハワイ産コーヒーにこだわり、現在日本でもコーヒーワークショップが大好評。

★コーヒーのおいしい入れ方教室を開催のお知らせ
2018年4月18日(水・夜)、ハワイからAloha Coffee Labの桑原ご夫妻をお招きして、コーヒーの入れ方教室を開催します。

詳細はこちら>>

【編集後記】
コーヒーについて話し出したら止まらないと言われるほどコーヒーがお好きなお2人。ハワイへの移住のきっかけもコーヒーであったというエピソードに驚くと共に、コーヒーとハワイに対する深い愛情がうかがえました。日々に感謝をしながらコーヒーを通して皆を繋ぐ活動を続けるお2人が惚れ込んだハワイ産のコーヒー、ぜひ味わってみたいものです。